請求書買取は、ファクタリングの別の呼び方

請求書買取とファクタリングは、同じ取引を指しています。会社や個人事業主が取引先に出した請求書は、支払期日が来ればお金になる「売掛金」です。この売掛金を、期日の前にファクタリング会社へ売り、手数料を引いた金額を先に受け取ります。

法人向けの会社は「ファクタリング」と呼ぶことが多く、フリーランス・個人事業主向けのサービスは「請求書買取」「報酬の先払い」「請求書の前払い」と呼ぶことが多い、という違いがあるだけです。検索するときも、どちらの言葉で探しても同じ種類のサービスが見つかります。

契約の形は2つあります。自分とファクタリング会社の2者で契約する「2社間」と、取引先にも承諾をもらう「3社間」です。この記事で取り上げる35社のうち、2社間に対応すると公式サイトに書いているのは31社です。2社間なら、取引先に知らせずに進められます。取引先から入金があったら、そのお金を自分からファクタリング会社に支払って終わりです。

借入れではないので、ローンのような毎月の返済はありません。ただし、取引先が払わなかったときに利用者が買い戻す約束(償還請求権)がある契約は、金融庁が貸付けに当たる場合があるとしています。選び方の記事でも、この点を最初に確かめるよう書いています。

「請求書の現金化」「先払い」「売掛金の資金調達」は、どれも同じ取引か

同じものを指す言い換えと、別の取引を指す言葉が混ざっています。申し込む前に、自分が探しているのがどれかを確かめてください。

言葉指しているもの見るページ
請求書買取/請求書の買い取りファクタリングと同じ。売掛金を期日前に売るこのページ
請求書の現金化同じ取引の言い換え。「現金化」はクレジットカードの現金化と混同されやすい言葉で、カードの現金化は別の(違法性が問題になる)取引です偽装ファクタリングの見分け方
請求書の先払い/前払いフリーランス向けのサービスがよく使う言い方。中身は請求書買取個人事業主が使える会社
売掛金の資金調達ファクタリングのほか、売掛金を担保にした融資(ABL)も含む広い言い方。融資は借入れで、返済と金利があるビジネスローンとの違い
売掛金担保融資(ABL)借入れ。売掛金や在庫を担保にして、銀行やノンバンクから借りる。負債になり、返済と金利があるビジネスローンとの違い
請求書カード払い別の取引。自分が払う側の請求書を、クレジットカードで立て替えてもらって支払いを先延ばしにする請求書カード払い
給与ファクタリング・先払い買取(個人向け)別の取引。金融庁は、個人に貸付けを行う「給与ファクタリング」という手法のヤミ金融があるとして注意を促しています。商品の「先払い買取」も個人向けの取引で、事業者の請求書買取とは別のものです給与ファクタリングの注意

どの言葉で探しても、確かめることは同じです。手数料の率と実際に振り込まれる金額、取引先が払わなかったときに買い戻す約束があるか、登記をするか、の3つです。

個人事業主が申込み前に確認する4つの条件

請求書を持っているだけで、どの会社でも買い取ってもらえるわけではありません。申込フォームを開く前に、次の順番で確認すると、対象外による差し戻しや、受取額の不足を減らせます。

確認すること手元で確かめる内容判断
取引が完了しているか商品・役務の提供が終わり、請求額と入金日が確定しているか未完了なら、請求書買取ではなく注文書ファクタリングの対象かを確認
請求書の条件請求元と取引先の正式名、請求額、支払期日、振込先が書かれているか。支払期日までの日数が各社の対象内か不足があれば請求書を直してから申し込む
必要な手取り額請求額から手数料・振込料・登記費用などを引いた入金額。例:10万円を手数料10%だけで買い取る場合は9万円必要額を下回るなら、売る金額や候補を見直す
契約後の義務取引先への通知、債権譲渡登記、取引先が払わない場合の買戻し・支払義務、入金後の送金期限契約書で確認できない項目があれば、署名前に書面で確認

金融庁は、形式が債権譲渡でも、買戻しを求めるなど実質的に貸付けと同じ機能を持つ取引は貸金業に当たるおそれがあると注意喚起しています。法務省の案内では、債権譲渡登記は債権譲渡を第三者に主張するための制度です。登記を求められたら、費用負担と契約終了後の抹消手続まで確認してください。

無料の見積もり比較シートには、同じ条件で各社へ確認する10項目と依頼文をまとめています。見積もりを比べたあとに、条件が合う会社の公式申込みへ進めます。

申込みから入金まで、早ければその日のうち

オンラインの請求書買取サービスでは、会員登録をしたあと、請求書の画像やPDFをアップロードして申請します。必要書類を公式サイトに書いている32社のうち30社は、通帳や入出金明細もあわせて求めています。取引先から実際に入金されているかを確かめるためです。

審査では、請求書の取引が本当にあったか、取引先がきちんと払っている相手かが確かめられます。審査が通ると手数料と振り込まれる金額が示され、同意すると指定した口座に振り込まれます。35社すべてが公式サイトで即日入金に対応すると書いていて、早ければ申し込んだその日に受け取れます。

支払期日に取引先から入金があったら、その金額をファクタリング会社に振り込みます。取引先から入ったお金は、すでに売った売掛金の代金なので、ほかの支払いに回さないでください。ここが遅れると、取引先に連絡が行くと書いている会社もあります。

当日の入金に間に合わせるための締切時刻は、会社ごとに違います。即日入金の記事に、締切時刻が分かっている会社をまとめています。

手数料は請求額の数%〜10%台。一律の会社と幅のある会社がある

請求書買取の手数料の決め方は、大きく2通りです。請求書の金額や取引先に関係なく同じ率にする「一律」と、「2%〜」「1%〜15%」のように幅で示して審査で決める方法です。

この記事で取り上げる会社のうち、手数料を一律にしているのはlabol(ラボル)(10%)、ペイトナー(10%)、バイオンのAIファクタリング(10%)です。一律なら、申し込む前に受け取る金額が分かります。幅で示す会社は、下限だけで比べず、見積りで実際の金額を確かめてください。

たとえば10万円の請求書で手数料が10%なら、受け取るのは9万円です。支払期日まで1か月の請求書に10%を払うのは、安い使い方ではありません。急ぎの支払いに足りない分だけを申請できる会社なら、手数料もその分だけで済みます。手数料の相場はファクタリング手数料の相場で比べられます。

オンラインで申し込めて、個人事業主も使える35社

公式サイトに「オンライン完結」または「対面不要」と書いていて、個人事業主も対象と書いている会社を、掲載順に並べました。

会社手数料買取額公称の最短
OLTA(オルタ)2〜9%下限・上限なし最短即日公式サイト
PayToday1〜9.5%10万円〜上限なし最短30分公式サイト
AGビジネスサポート2〜9.9%1万円〜上限未確認最短即日公式サイト
ZERO1.5〜10%20万円〜5000万円最短即日公式サイト
MSFJ1.8〜10%10万円〜3億円最短30分公式サイト
アドプランニング2〜10%10万円〜1億円最短即日公式サイト
買速2〜10%10万円〜1億円最短即日公式サイト
メンターキャピタル2〜10%20万円〜上限未確認最短即日公式サイト
FREENANCE(フリーナンス)3〜10%1万円〜上限なし最短即日公式サイト
labol(ラボル)10%1万円〜上限未確認審査後 最短30分公式サイト
ペイトナー10%1万円〜300万円最短即日公式サイト
バイオンのAIファクタリング10%5万円〜上限未確認最短60分公式サイト
ワンバンク請求書買取10〜14%5万円〜上限未確認最短10分公式サイト
SoKuMo(ソクモ)1〜15%未確認最短即日公式サイト
エーストラスト1〜15%〜1億円最短2時間公式サイト
GoodPlus/のりかえPLUS5〜15%未確認最短即日公式サイト
スリーエス2〜19%〜1億円最短2時間公式サイト
トップ・マネジメント0.5%〜〜3億円最短即日公式サイト
アクトビズ1%〜10万円〜5000万円最短即日公式サイト
QuQuMo online1%〜未確認最短2時間公式サイト
資金調達QUICK1%〜未確認最短2時間公式サイト
ファクタリングのTRY1.2%〜10万円〜1億円最短2時間公式サイト
FACTOR⁺U1.5%〜1万円〜上限未確認最短40分公式サイト
日本中小企業金融サポート機構1.5%〜1万円〜2億円最短即日公式サイト
トラストゲートウェイ1.5%〜50万円〜5000万円最短即日公式サイト
うりかけ堂2%〜30万円〜5000万円未確認公式サイト
共栄サポート2%〜未確認最短即日公式サイト
日本資金支援センター2%〜〜500万円最短即日公式サイト
西日本ファクター2.8%〜30万円〜1000万円最短40分公式サイト
アイファクター3.1%〜1万円〜上限未確認最短60分公式サイト
ソクデル5%〜未確認最短60分公式サイト
ペイテック未確認10万円〜5000万円最短60分公式サイト
キャッシュファクター未確認15万円〜1億円最短2時間公式サイト
アットライン未確認未確認最短即日公式サイト
ビートレーディング未確認未確認最短2時間公式サイト

買取額の下限が10万円以下の会社

OLTA(オルタ) 法人・個人事業主 2〜9%/買取 下限・上限なし 公式サイトを見る
PayToday 法人・個人事業主 1〜9.5%/買取 10万円〜上限なし 公式サイトを見る
AGビジネスサポート 法人・個人事業主(個人事業主は条件つき) 2〜9.9%/買取 1万円〜上限未確認 公式サイトを見る

PR並びは掲載順のままです。

個人事業主・フリーランスは、取引先と期日の条件を先に見る

個人事業主向けの請求書買取サービスでも、使える請求書には条件があります。よく分かれるのが、取引先の種類と支払期日までの日数です。

たとえばラボルは、取引先が法人の請求書だけを対象にしていて、支払期日が請求書の提出から151日以上先のものは使えません。ペイトナーは、取引先が個人事業主の請求書も使えますが、申請日から支払期日まで70日以内のものに限られます。どちらも、一般の個人のお客さんに出した請求書は対象外です。条件の違いはラボルの審査とペイトナーの審査のページで詳しく比べています。

クラウドソーシングのサービスを通した売上や、手渡し・集金で受け取る報酬を対象外にしている会社もあります。会社員の給料は、どの会社でも対象になりません。給与を前払いするとうたう「給与ファクタリング」は、金融庁が貸金業に当たるとしています。

少額の請求書を使いたい場合は1万円から使える少額ファクタリング、書類を減らしたい場合は必要書類が少ないファクタリングも参考にしてください。

取引先に早く払ってもらえるなら、そのほうが安い

請求書を早くお金にする方法は、請求書買取だけではありません。いちばん費用がかからないのは、取引先に支払いを早めてもらうことです。継続して取引している相手なら、次の契約から支払いサイトを短くしてもらえないか相談する価値はあります。

数か月先まで資金が足りない状態が続くなら、銀行や日本政策金融公庫の融資のほうが、手数料の負担は軽くなります。融資は審査に時間がかかるので、今週の支払いに間に合わせる手段にはなりません。急ぎの一回は請求書買取、続く不足は融資、と分けて考えると、手数料を払い続ける状態になりにくくなります。

請求書買取で避けたい業者

契約の中身を申し込む前に確かめられない業者は避けてください。手数料と、手数料以外にかかる費用、取引先が払えなくなったときの扱いは、利用規約か契約書に書かれているはずです。

「審査なし」「誰でも通る」とうたう業者、請求書ではなく給与や個人の借金を対象にする業者は、実態が高い金利の貸付けであることがあり、金融庁も注意を呼びかけています。当サイトの各会社のページでは、法人番号で実在を確かめた結果と、公式サイトに書かれている条件の出典を載せています(確かめ方)。

よくある質問

請求書買取とファクタリングは違うものですか?

同じものです。請求書(売掛金)を支払期日の前に買い取ってもらう取引をファクタリングと呼び、個人事業主やフリーランス向けのサービスでは「請求書買取」「請求書の前払い」「先払い」と呼ぶことが多い、という違いです。

請求書買取は個人事業主でも使えますか?

使えます。掲載69社のうち、個人事業主も対象と公式サイトに書いているのは43社で、そのうちオンライン完結か対面不要で申し込めるのは35社です。取引先が法人に限られるか、個人事業主あての請求書も使えるかは会社ごとに違います。

請求書の前払い・先払いは借金になりますか?

請求書を売る取引なので、借入れではありません。ただし、取引先が払わなかったときに利用者が買い戻す約束(償還請求権)がある契約は、金融庁が貸付けに当たる場合があるとしています。契約の前に、取引先が払えなくなったときの扱いを確かめてください。

請求書買取の手数料はどのくらいですか?

個人事業主向けのサービスでは、手数料を一律で決めている会社と、「◯%〜」と幅で示す会社があります。一律の会社ではlabol(ラボル)が10%、ペイトナーが10%、バイオンのAIファクタリングが10%です。幅で示す会社は、実際の手数料を見積りで確かめてください。

請求書1枚だけでも使えますか?

使えます。請求書1枚、1万円から申請できる会社もあります。請求書の金額の一部だけを申請できる会社なら、必要な分だけ受け取って手数料を抑えられます。

会社員の給料を前払いしてもらえますか?

できません。会社員の給与を対象にした「給与ファクタリング」は、金融庁が貸金業に当たるとしています。請求書買取の対象は、事業で取引先に出した請求書です。

この記事の根拠

各社の条件は、会社ページの「この条件は、どこに書いてありましたか」に公式ページの抜粋と出典URLを載せています。確認できなかった項目は「未確認」とし、推測では埋めていません。実際の手数料・入金日・利用の可否は審査と契約で決まります。

条件が合えば、公式サイトで見積もりを確認

公開情報は変更されることがあります。申込み対象・必要書類・手数料・入金予定日は、契約前に公式サイトと見積書で確認してください。

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