科目と消費税の早見表

項目よく使う科目消費税
売掛金を売ったときの手数料売上債権売却損(または支払手数料)非課税
ファクタリング会社から入った代金普通預金など
2社間で、取引先から入ってまだ渡していない代金未払金・預り金
買取とは別の事務手数料・登記費用支払手数料など中身による(契約書と請求書で確認)

記帳の例は一般的な処理です。決算の方法や償還請求権の有無で変わることがあるので、最終的な処理は顧問の税理士に確認してください。

2社間の仕訳は、売ったときと、取引先から入って渡すときの3回

請求額100万円の売掛金を、手数料5%でファクタリング会社に売った例です。

いつ借方貸方
① 売掛金を売り、代金が振り込まれた普通預金 950,000
売上債権売却損 50,000
売掛金 1,000,000
② 期日に取引先から自分の口座に入金普通預金 1,000,000未払金(ファクタリング会社)1,000,000
③ ファクタリング会社に送金未払金(ファクタリング会社)1,000,000普通預金 1,000,000

①で売掛金はなくなります。②で入ってくる100万円は、すでに売った売掛金の代金なので、売上や売掛金の回収として処理せず、ファクタリング会社に渡すまでの預かりとして記帳します。②と③の間に月末をまたぐと、帳簿に未払金が残るので、決算の前に消えているかを確かめてください。

3社間の仕訳は、売ったときの1回だけ

3社間では、取引先がファクタリング会社に直接払います。自分の帳簿に記録するのは、売掛金を売って代金が振り込まれたときだけです。

いつ借方貸方
売掛金を売り、代金が振り込まれた(手数料2%の例)普通預金 980,000
売上債権売却損 20,000
売掛金 1,000,000

手数料が差し引かれずに全額が振り込まれ、手数料を別に払う契約なら、手数料を払ったときに「売上債権売却損/普通預金」と記帳します。

手数料の消費税は非課税。インボイスも必要ない

国税庁のタックスアンサー(No.6201 非課税となる取引)は、有価証券等の譲渡の中に「金銭債権などの譲渡」を挙げています。売掛金は金銭債権なので、ファクタリングで売掛金を売る取引は非課税で、額面との差額である手数料にも消費税はかかりません。

非課税の取引なので、仕入税額控除のための適格請求書(インボイス)は必要ありません。ただし、買取の手数料とは別に「事務手数料」や「登記費用」などが請求されている場合は、中身ごとに扱いが分かれます。内訳が分からないときは、ファクタリング会社に明細を出してもらってください。

償還請求権がある契約は、借入れとして扱われることがある

取引先が払わなかったときに、利用者が売掛金を買い戻す義務(償還請求権)がある契約は、売掛金を担保にした借入れに近い中身になります。金融庁も、償還請求権がある契約は貸付けに当たる場合があるとしています。この場合、売ったときに売掛金を消してしまう処理が合わないことがあるので、契約書を税理士に見せて確認してください。

償還請求権がない(ノンリコース)と公式サイトに書いている会社は、会社ページの「償還請求権」の欄で確かめられます。

個人事業主も同じ考え方で記帳する

個人事業主が売掛金を売ったときも、手数料は事業の売掛金を売った費用として必要経費になります。青色申告決算書や収支内訳書には「売上債権売却損」の欄がないので、空いている行に科目を書き足すか、支払手数料として記帳します。どちらにするかを決めたら、毎回同じ科目を使ってください。

個人事業主が使えるファクタリング会社は個人事業主・フリーランスのファクタリングにまとめています。

決算の前に確かめること

1つ目は、2社間で取引先から入った代金を、ファクタリング会社に渡し終えているかです。未払金や預り金が残ったままだと、貸借対照表に残高が出ます。2つ目は、売掛金を売った分の売上債権売却損を、すべて計上しているかです。手数料が差し引かれて振り込まれると、入金額だけを記帳して手数料を落としてしまうことがあります。

3つ目は、契約に償還請求権があるかどうかです。ファクタリングの仕組みそのものはファクタリングとはで、手数料の相場は手数料の相場で説明しています。

よくある質問

ファクタリングの手数料の勘定科目は何ですか?

「売上債権売却損」で処理する例が多く、「支払手数料」で処理する会社もあります。売掛金を売ったことで生じた損失という中身を表せる科目を選び、毎回同じ科目を使ってください。

ファクタリング手数料に消費税はかかりますか?

かかりません。売掛金(金銭債権)の譲渡は消費税の非課税取引で(国税庁 タックスアンサー No.6201)、ファクタリングの手数料は非課税として扱います。

手数料とは別の事務手数料にも消費税はかかりませんか?

契約書や請求書で、買取の手数料とは別に「事務手数料」「登記費用」などが示されている場合は、その中身ごとに判断が分かれます。区分が分からないときは、ファクタリング会社に内訳を出してもらい、税理士に確認してください。

2社間で取引先から入金があったときの仕訳は?

取引先から入金された代金は、すでにファクタリング会社に売った売掛金の代金なので、ファクタリング会社への未払金(または預り金)として処理し、支払ったときに消します。

償還請求権がある契約はどう処理しますか?

取引先が払わないときに買い戻す義務がある契約は、売掛金を担保にした借入れに近く、処理が変わることがあります。金融庁も、償還請求権がある契約は貸付けに当たる場合があるとしています。契約書を税理士に見せて確認してください。

この記事の根拠

各社の条件は、会社ページの「この条件は、どこに書いてありましたか」に公式ページの抜粋と出典URLを載せています。確認できなかった項目は「未確認」とし、推測では埋めていません。実際の手数料・入金日・利用の可否は審査と契約で決まります。